第2章 偶然と重なり合う必然の果てに

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(どうしたんだろう…風邪かな?) (………!!!) 電車の中で、なんとか目線だけを彼女に向けていた僕は、気付いてしまった。 彼女の下半身を必要に触る影に。 (ち、痴漢だ!!) すぐに彼女の後ろに目を向ける。 後ろには、中肉中背のスーツを着た男性が、荒い息を撒き散らしながら立っていた。 (助けないと!!) なんとか隙間を縫って、デキちゃんのもとへ人間の荒波を掻き分ける。 その間にも、彼女への魔の手は激しさを増していく。 彼女の瞳が少し潤んで見える。 (クッ…何を興奮してるんだ僕は!早く助けないと!) 若干の興奮と、怒りを胸に秘め、人波から彼女に到着したのは次の駅に着く寸前だった。 (よしっ!) ガシッ! 僕は勢いよく、卑劣な男性の腕を掴んだ。 「嫌がってるじゃないですか!あなたはな…に…を?」 驚きを隠せない表情の男性がこちらを向いた瞬間、 怒りのゲージが驚きのゲージへ急速に変化していく。
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