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「……次、斎槻煉。入れ」
「……失礼します」
試験官に呼ばれ、入室する。部屋は意外と広く、上の方には窓がある。
窓の向こう側には少数の人が見えた。あそこで総合的な判断をするのだろう。
前を見ると、試験官の先生が立っていた。強面、筋骨隆々。「男」を体現したかのような容姿だ。
「私が君担当の試験官、小早川将司(コバヤカワ マサシ)だ。すでに確認済みかとは思うが、試験の説明から始めよう」
「はい、よろしくお願いします」
煉がうなずくと、小早川先生が説明を始めた。
この試験のデュエルは勝ち負けで決まらず、デュエルでのプレイングや態度など、総合的な面で点数化して決まる。
たとえ負けてもプレイング内容が良かったら試験は合格、勝ってもプレイングが劣悪なら不合格……もっとも、デュエルアカデミアの教師に劣悪なプレイングをして勝てるはずはないだろうが。
「……説明は以上だ。では始めよう。デュエルディスクを構えたまえ」
「……はい!」
煉は深く深呼吸し、デュエルディスクにデッキをセットする。
自動でデッキがシャッフルされ、甲高い音を立ててソリッドビジョンシステムが起動する。
ライフポイントである「4000」が表示されるのを合図に、同時に声を上げた。
「「デュエル!」」
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