ヘムタイ

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「…おはよ」 地を這うような低い声で 小さく挨拶を口にしながら、可南子は講義室に入ると、いつもの席に憮然とした表情で着席した。 「お…はょ」 笑顔を浮かべて、挨拶を返そうとした友人達。 可南子の表情の険しさに、挨拶の言葉も尻すぼみになってしまう。 ―どうしたの? たった一言の質問の言葉を 無言の表情で言わせない迫力が…可南子の周りに漂っていた。
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