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初期のシムタブは、つまり救急救命医療師や交通運輸機器のオペレーターなどに、本来の意味で経験を積ませているのではなく、経験豊富な者の経験を疑似体験…というより追体験…させて、経験を積ませる…積んだような気にさせる…という仕組みだったのである。
しかし、ゲーマー達の需要だけでなく、自分で選択し、成功だけでなく失敗の体験も積むことのほうがより良い経験値となることは学術界でも必要とされている。やがて、服用者の脳波の微弱な変化を読み取り、それにより振る舞いを分岐させることができるナノマシーンが開発されたことにより、シムタブは名実ともに疑似体験錠剤と呼んで間違いの無い段階に至った。
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