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それから今日この瞬間まで、泣きたくても泣けなかったのに。
気を張っていたからかもしれない。
別れたくなかったのだ、本当は。
でもそうは言えなかった。
「生き方が違うんだもんね、仕方ないよ……わかった」
別れを言い渡されたその時、そう言って立ち上がり、振り返ることもなく歩き去った瑞希だが、心の中は張り裂けそうになっていた。
「あれで良かったのかな? 後悔してるのかな、ホントは?」
実のところ少しばかり後悔してもいる。
そして未練もまだある、でも認めたくない。
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