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メイクが崩壊しているが丁寧に直している暇などない。
相手が起きて気がつく前に逃走、それが基本だ。
軽くお粉を叩いてOKという事にしよう。
くしゃくしゃになった髪に水を少量つけて撫で付ける。
こんな時間なのだ、誰かに見られる心配はないだろう。
大丈夫、小さく頷いて玄関に向かった。
『さぁ、撤収、撤収』
玄関のドアを閉めながら
『お騒がせしましたー。記憶ないし、今夜の事は無かった事にして下さいね。
普段の私は別キャラだし』
そう思いながら廊下に出ると、ホテル?と思うような絨毯敷きの広い廊下が広がっている。
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