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手術中のランプが消えた。
それと同時に先生が出てきた。
『先生…娘は?』
『残念ですが…』
両親と雲は泣き崩れた。
すぐに空に近づいた。
ずっと名前を呼んだりしていた。
そのなかで涼は椅子座りただただその光景を見つめていた。
『ねぇ…な、中岡先輩と二人に…してあげよ?』
ボロボロと涙を流しながら両親に雲はいった。
両親も頷いて立ち上がりそっと涼のもとにいった。
『涼くん、あの子に…一言…ウック』
『涼くん、娘に最後の言葉をかけてやってくれ。』
涼は空と二人になっていた。
みんなみたいに泣けない涼。
「なぁー空ー。何寝てんだよー。
今から一緒にゲーセン行こうぜ?
なぁー空…空ー!!」
急にボロボロと涙が流れてきた。
「空ーなぁーってば…なんで、なんでたよ…」
「何泣いてんだこのバカ涼!」
「えっ…。」
「俺はいつまでもお前の味方だよ」「ずーっと一緒だ」「ホラよ、焼きそばパンとコーヒー」「涼ー今日バイトか」「じゃぁ明日ゲーセン行こうぜ」「真似するな」「あたしも好きです」「今日の空いつもより青いなぁ」 「涼、バイバイ」
走馬灯のようにいっきに思い出された。
「なぁ空…俺、今もお前の声が頭に残ってるよ…」
『あの…これ。お姉さまから手紙です、鞄に入ってました。』
「えっ…」
雲はかわいらしいピンクの封筒を持っていた。そこには涼へと空の字で書いてあった。
「ありがとう…雲ちゃんは強いなぁ…。もぅ…泣き止んでるもんなぁ…」
『…私が…私が泣いたらお姉さまも泣くから…。雲が泣いたら雨が降る…。そしたらあたしも悲しい…だから笑ってってお姉さまからの手紙に書いてあったから…泣きません…』
「そっか…。」
涼はボソッと呟いて自分への手紙を開いた。
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