2/3
前へ
/9ページ
次へ
手術中のランプが消えた。 それと同時に先生が出てきた。 『先生…娘は?』 『残念ですが…』 両親と雲は泣き崩れた。 すぐに空に近づいた。 ずっと名前を呼んだりしていた。 そのなかで涼は椅子座りただただその光景を見つめていた。 『ねぇ…な、中岡先輩と二人に…してあげよ?』 ボロボロと涙を流しながら両親に雲はいった。 両親も頷いて立ち上がりそっと涼のもとにいった。 『涼くん、あの子に…一言…ウック』 『涼くん、娘に最後の言葉をかけてやってくれ。』 涼は空と二人になっていた。 みんなみたいに泣けない涼。 「なぁー空ー。何寝てんだよー。 今から一緒にゲーセン行こうぜ? なぁー空…空ー!!」 急にボロボロと涙が流れてきた。 「空ーなぁーってば…なんで、なんでたよ…」 「何泣いてんだこのバカ涼!」 「えっ…。」 「俺はいつまでもお前の味方だよ」「ずーっと一緒だ」「ホラよ、焼きそばパンとコーヒー」「涼ー今日バイトか」「じゃぁ明日ゲーセン行こうぜ」「真似するな」「あたしも好きです」「今日の空いつもより青いなぁ」 「涼、バイバイ」 走馬灯のようにいっきに思い出された。 「なぁ空…俺、今もお前の声が頭に残ってるよ…」 『あの…これ。お姉さまから手紙です、鞄に入ってました。』 「えっ…」 雲はかわいらしいピンクの封筒を持っていた。そこには涼へと空の字で書いてあった。 「ありがとう…雲ちゃんは強いなぁ…。もぅ…泣き止んでるもんなぁ…」 『…私が…私が泣いたらお姉さまも泣くから…。雲が泣いたら雨が降る…。そしたらあたしも悲しい…だから笑ってってお姉さまからの手紙に書いてあったから…泣きません…』 「そっか…。」 涼はボソッと呟いて自分への手紙を開いた。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加