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「涼へ
あのーえっとねー…
私は今手紙を書いてます。
どうして手紙なのかというと…
想いを伝えるためです。
涼はあたしのこと、男、男って言うけど
それは私にとってひとつの楽しみでもありました。
んーかっこよく言うなら青春かな(笑)
そんな青春をくれる涼が好きです。
一言じゃ表せないけど…好き。
急なんだが
昨夜の夢の話をするね。
二人でいつものように帰ってるときに
涼が事故で死ぬ夢。
いつものように信号待って、いつものように歩き出したら車が突っ込んでくる嫌な夢
胸騒ぎがしたから手紙を書こうと決心しました。
まぁ英語の時間にやることじゃないか(笑)
涼…好きだよ?
だから涼には笑ってて欲しい。
私は空よ?あの日のような青い空の上から見守っときます。
雲のことよろしくね?
幸せにしなかったら許さないからな?
涼、これまでありがとう。
そしてさようなら。
空より」
涼は泣きながら読んだ。
心の中で空の声と重ねながらしっかりと。
「空…どーして…」
『お姉さまは昔から嫌な日は嫌な夢を見てました。祖父母が亡くなったときも、大切にしていたペットが亡くなったときも…』
「空…だからって…」
『お姉さまは夢を信じて…手紙を書いたんだと思います』
「そっか…」
涼は冷たくなった空の手を握り、ボソッと呟いた。
「俺、お前の分もしっかり生きるからな…」
「あぁ。ありがとう。んで頑張れよ?」
「えっ!?」 『えっ!?』
空の声がどこからともなく
聞こえた気がしたのです。
「約束するよ。雲ちゃんのことも。」
『えっ?なんのことですか?』
「なんでもない。」
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