~第弐幕~

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『お前の親父にはでかい"借り"がある…』 『踏み込みが甘い、隙だらけだ…』 『なんて無様だ、情けない…』 「うわぁぁぁぁ!!」 大護は、突然絶叫しながらバッと起き上がる。 酷く息を乱し、恐怖に引き吊った顔で辺りを見回すと、どうやら自身の部屋のようだった。 「…!!…っ!!」 そして、その流れで自身の右腕も確認してみるが、何処も火傷はしていない。 「気のせいか…?」 気を失う直前、大護は無意識に右腕に炎を纏っていた事を思い出すが、その痕跡は見当たらない。 それにより戸惑いを隠せないでいると、 「大護ー!良かった、心配したんだよ!」 そんな大護の元へ桜が駆け寄ってきた。 桜が顔面のあらゆる箇所から色んな液体を流しながら大護の肩にしがみ付くと、一方で大護は自身の手が微かに震えている事に気付く。 「大護…?」 「あぁ…うん、大丈夫。ありがとう」 桜の話によると、桜は急いで渉に助けを求めて引き返して来た時には、あの怪しい男の姿はなかったという。 一人残されていた大護は、全身が軽い打撲や痣だらけになって倒れていた。 「おぉ大ちゃん。無事で良かったな、心配したぞ」 「渉さん…」 するとそこへ、渉も心配そうに部屋の中へ足を踏み入れ、笑みを浮かべながら大護の頭をもみくちゃにする。 「あんま心配掛けんじゃねーぞ」 「あぁ、うん…ありがとう」
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