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「嘘だろ……嘘だろ…なんでお前が!!」
幻妖が滅び、久神が消滅してからもう四年もの月日が流れていた。
訪れた筈の平和の中で、世界にはまだ幻妖でもない鬼貞でもない"魔"なる存在を呼び起こそうとする、男の存在があった。
その男と対峙する裕紀は、よく知ったその顔に驚きと戸惑いを隠せず、苦悶の表情を浮かべる。
「知らせねーと…早くアイツに知らせねーと!!」
裕紀は逃げるようにその場から去ろうとするが、
「俺の目的と正体を知って、生きて帰れると思ってるのか?」
男が不敵な笑みを浮かべながらバッと右腕を翳した瞬間、裕紀の四方を、突然何処からともなく現れた複数の異形が囲む。
その異形の姿は、妖怪めいた幻妖や角を生やした鬼貞とは違い、例えるならまるで"悪魔"のようなおぞましい姿をしており、その全てに身体の何処かに奇妙な紋章があった。
「透明砲(トラペア・キャノン)!!」
「へぇ…やっぱやるね」
裕紀はこの事を早く翔次に伝える為に先へ急ぐが、有象無象を相手に手を焼く。
「退けよてめえら…そこを退けェェェ!!」
その瞬間、世に再び"戦乱"が訪れようとしていた。
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