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翌日の朝、
「………!」
部屋で目覚めた大護は、ゆっくりと起き上がる。
自身の傷は全て完治してるようで、痛みもまるでない…本当に久神に覚醒したようだった。
「おはよー大護!朝ごはんの用意出来てるよ!」
そんな大護の部屋へ、昨日から同じ部屋で住むようになった妹の桜が、エプロン姿でやってくる。
「マジか!凄ェ、すぐ行く!」
それにより大護は嬉しさのあまりにバッと飛び上がり、すぐに朝食が用意されたリビングへ向かうが、
「お、おぅ…」
そこに並べられていたのは、まるで泥細工のような暗い色の"何か"が盛り付けられた皿が三つも並べられていた。
「なぁ桜…」
「なぁに?」
「これは……?」
「スクランブルエッグと炒飯と焼き魚だよ」
「おぅ…」
一見するとそれら全部は同じように見えるが、実は和洋中バラバラの料理だったらしい。
あまりに壮絶な光景に、大護は思わず食欲を無くす。
「ぁあ…実は俺、朝は何も食わねぇんだ」
「そなの?それじゃ私が全部食べちゃおっと!」
大護が学校の支度を整えてる間に桜はその全てを一人で平らげ、更にいつの間にか制服にも着替え終えていた。
「大護早くー、置いてくよ!」
「早いな!」
大護は慌てて用意する。
二人が玄関を出ると、丁度隣の六号室から中学生の双子が同時に出てきた。
「あ、大兄おはよー!」
「うす」
「おう、二人共おはよう」
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