8人が本棚に入れています
本棚に追加
少なくとも和嶽を相手に圧倒する程の敵を相手に、力を無くした翔次が敵う筈がないと秋は心配するが、
「俺も行く…!」
大護はすかさずそう名乗り出た。
「さっきから気になってたけど、君は誰?」
「俺は……久神だ!」
秋は大護の存在が気になりそう尋ねると、大護は掌に炎を纏いながら自身が久神であると証明する。
そんな大護に対し翔次は、
「…足手纏いだと感じたら捨てて行くぞ…!」
「おう!」
続けと言わんばかりに走り出した。
修を冷静に介抱しながら、裕紀は状況を整理する。
翔次は秋と千広と共に和嶽へ向かおうとしていた。
おそらく翔次の性格的に引き返しては来ないだろうが、千広と秋は引き返してくるだろうと予測。
一方で翔次と共にいた翔次とそっくりの少年は、感覚的に久神だった為、おそらく翔次と同行するだろうと予測。
そして今自身の側には、今にも子供が産まれそうな修と、それによりあたふたしているレイと子龍。
しかし裕紀にはどうしてもわからない事があった。
翔次とそっくりのあの少年は何者なのか…それと、自身の身に何が起きたのか。
まるで瞬間移動したかのようにいつの間にか一人で和嶽へ、そしてまたいつの間にか誰よりも早く修の元へ帰ってきていたのが現状。
わからないながらも裕紀は、全力で修を介抱した。
「気をしっかり持て、修!!」
最初のコメントを投稿しよう!