~第参拾捌幕~

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大護にとって意外に感じたその問いに対し、すかさず答える。 「あ、あぁ…二人共女だ」 「…二人…?双子か…」 「あ…」 修にはまだ内緒にしていて欲しいと言われていたが、不意に口を滑らせてしまう大護。 しかし一方で翔次は、構わず続けた。 「…だったら名前は決まってる。"明"と"桜"…」 「……」 「…お前が護ってやれ…」 「…!!」 それに対し大護はまた驚きを隠せず、一瞬言葉に詰まる。 「男が女よりも力が強いのは、男が女を護る為。兄が妹より先に生まれてくるのは、兄が妹を護る為だ…」 「……!」 「お前は…"大切なものを護れる男"になれ」 更に翔次が続ける中、堪らず大護はバッと立ち上がった。 「ふざけんなよ!!」 「……」 「そんな事はわかってる…わかってるけど、あんたは!!」 大護は目に涙を浮かべながら、訴え掛けるかのように叫ぶ。 「どうして!生きて妹達を護ろうと思わなかったんだよ!」 「……」 すると翔次は、静かにペンを置いた。 「…今のお前を見て、託していいと思ったからだ…」 「でも!!」 「…俺は…"今"だ」 その次の瞬間、突然四方を大量の妖気が囲むように出現したのを感じた。 そしてそれと同時、翔次は自身の右拳をギュッと握り締めながらバッと立ち上がる。 「ヤツが……虹平が、囮と入れ換わっていた事には気付いていた。だが、動くのが想像以上に早かったな」 「どうすんだよ!」
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