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大護にとって意外に感じたその問いに対し、すかさず答える。
「あ、あぁ…二人共女だ」
「…二人…?双子か…」
「あ…」
修にはまだ内緒にしていて欲しいと言われていたが、不意に口を滑らせてしまう大護。
しかし一方で翔次は、構わず続けた。
「…だったら名前は決まってる。"明"と"桜"…」
「……」
「…お前が護ってやれ…」
「…!!」
それに対し大護はまた驚きを隠せず、一瞬言葉に詰まる。
「男が女よりも力が強いのは、男が女を護る為。兄が妹より先に生まれてくるのは、兄が妹を護る為だ…」
「……!」
「お前は…"大切なものを護れる男"になれ」
更に翔次が続ける中、堪らず大護はバッと立ち上がった。
「ふざけんなよ!!」
「……」
「そんな事はわかってる…わかってるけど、あんたは!!」
大護は目に涙を浮かべながら、訴え掛けるかのように叫ぶ。
「どうして!生きて妹達を護ろうと思わなかったんだよ!」
「……」
すると翔次は、静かにペンを置いた。
「…今のお前を見て、託していいと思ったからだ…」
「でも!!」
「…俺は…"今"だ」
その次の瞬間、突然四方を大量の妖気が囲むように出現したのを感じた。
そしてそれと同時、翔次は自身の右拳をギュッと握り締めながらバッと立ち上がる。
「ヤツが……虹平が、囮と入れ換わっていた事には気付いていた。だが、動くのが想像以上に早かったな」
「どうすんだよ!」
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