~第参拾捌幕~

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そのまま翔次は無言のまま修の元へ急ぎ、そこでその場にいた全員に告げる。 「…行け、ここは俺が食い止める…!」 それに対し、子龍とレイは年相応に今にも泣き出してしまいそうになりながらも必死に堪え、裕紀は深く目を閉じて重く頷く。 そして修は、 「……翔次……」 たった一言、最後に絞り出すかのように静かに翔次の名を呼んだ。 これが今生の別れになるのだろうと、無意識に悟ってしまったのだった。 裕紀は、幼い方の大護をアームで頭上に抱え、一方で修を両腕で抱え上げて地下へと向かう。 「レイ、子龍!ここにいたら翔次の邪魔だ、早く来い!!」 言われるまま二人は裕紀に続いて地下へ降りるが、しかし一方で大護は残った。 「…お前も行け、邪魔だ…」 「行かねぇ!!」 「…!」 「悪いが俺は今反抗期なんだよ、素直に親の言う事なんか聞けるか!」 「ガキが……」 地下へ降りた裕紀らは、そのまま地下道を駆け抜けた。 そんな中、 「ぅ…ぅぅ…うわぁぁぁぁ!!」 突然、これまで大人しくしていた幼い方の大護が、夥しく泣きじゃくり始めた。 それには子供を宥める事に慣れている裕紀も苦戦する。 「どうしたんだよ大護、こんな時に!」 地上では翔次が、徐々に四方から迫り来る大量の妖気に対し、目を閉じて深く構える。 「……感じる、力が……」
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