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手に握り締めた刀に手応えを感じた翔次は、囁くように口を開く。
「………鬼殺羅流七式・鬼焼き!!」
「……!」
それは、大護にも見覚えのある技だった。
翔次は自身と大護を中心に全身を大きく回転させ、窓から建物の外の四方を囲む大量の幻妖目掛けて凄まじい螺旋状の業火を放出する。
「やはりな…」
「なんで?!」
その光景に大護はまた驚きを隠せなかった。
久神の能力を失った筈の翔次が、何故こうも自在に炎を操れるのか…それに答えるように翔次はまた口を開く。
「どういった経緯かは知らねぇが、こうして幻妖が復活した以上、それに対抗すべく久神が息を吹き返すのは道理だろう!」
それは、幻妖の存在意義と久神の存在理由だった。
それにより漸く納得した大護も、すかさず外へ出て大量の幻妖に立ち向かう。
「やはり…あの男は久神に再覚醒したか……」
その業火を、幻妖の大群の最後方から虹平は眺めていた。
その幻妖の大群は、翔次の手によりみるみる内に数を減らしていく。
それを良く思わない虹平は、スッと掌を翳した。
「まだまだ追加だ……佰妖!」
次々と有象無象の幻妖を斬り続ける翔次だが、限が無い。
その脇では大護も奮闘するが、それでもやはり限が無く手を焼く。
「クリムゾン・バースト!!」
「鬼殺羅流二十五式・陽炎」
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