~第参拾捌幕~

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それから次に大護が目を覚ました時、いつの間にか四方何も無い空間にいた。 「ここは……?」 朦朧とする意識の中、大護はふと直前までの出来事を思い出して慌ててバッと立ち上がると、 「あれから翔次は、死力を尽くして仲間を逃がし…自身は遂に力尽きた」 「え…?」 突然背後から、煥がその後の話を語る。 「そして修は、二人の娘を出産した直後、満面の笑顔で息を引き取った…」 「……」 たった一人残された翔次は、冥土の葉炎を駆使して四方の幻妖を纏めて瞬殺した。 その光景により虹平は不敵な笑みを浮かべながらその場を後にし、一方で翔次はその場で崩れ落ちる。 その十数分後、そこへ裕紀が引き返してきた。 「二人の娘が産まれたよ、翔次…」 その脇には子龍とレイの姿もあったが、子供が産まれたというのに誰もが暗い顔をしている。 その理由を翔次は、聞かなくてもわかっていた。 「だけど修は、力尽きちまった…」 その目には涙が浮かぶ。 一方で翔次も仰向けに倒れ込んだまま、右腕で両目を覆いながら絞り出すように口を開いた。 「裕紀、レイ、子龍……ガキ達を頼む………」 その言葉を最期に翔次は遂に力尽き、息を引き取る。 それを哀しげに見送る裕紀は、何故か右半身に夥しい火傷を負っていた。 「任せろ、安らかに休んでくれ……」
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