~第参拾玖幕~

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「再覚醒?」 「稀人が再度覚醒し、新たな能力に目覚める事だ」 稀人に覚醒した時に透明の腕(トアペアアーム)の能力を手に入れた煥が再覚醒した時、新たにこの阿修羅の腕(アシュラアーム)を手に入れた。 「そしてその再覚醒は、一度とは限らない」 更に煥は若い頃に二度目の再覚醒をし、また新たな能力を手にしたという。 「火花の母親も二度の再覚醒をし、三つの能力を持っていたという…」 「火花の母親?!」 話の流れで煥がさらっと口にした言葉に対し、大護は驚きを隠せない。 「どうした?」 「今、火花の母親って!」 大護にとっては初耳で、火花とは家族の話すら交わした事がなかった。 大護自身が父の話を嫌っていた事がその原因だろうが、それでもやはり驚きを隠せない。 「火花の母親も稀人だったのか…」 「ド阿呆が、それの何処に不思議がある?稀人はその名の通り基本的には人から覚醒するが、親も稀人ならその可能性は比較的高くなる」 「そうなのか?」 「更に火花の場合、両親共に稀人だった。火花が覚醒したのは必然だったと言えるだろう…」 「………!」 大護が驚きのあまりに呆気に取られる一方、煥は続ける。 「話が逸れたな…つまり、お前はもう少し冷静を心掛け、相手の能力を見誤らない事だ」 しかし大護は、言われた側からその話を聞いていなかった。 「火花の母親……」
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