~第壱幕~

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しかし大護は、目の前にいる妹らしき少女が、二人の内のどちらかがわからない。 それも、二人一緒だと思っていたのに近くにはそれらしきもう一人の娘も見当たらない。 そんな大護が戸惑う様子に気付いたのか、 「もしかして私がどっちかわからない?私は"桜"だよ!」 「あぁ…桜!」 妹は先に名乗ってくれた。 それにより大護は漸く安心し、すかさずもう一人の事を尋ねると、 「あの娘はちょっと用事でね、私だけ待ちきれずに先に来ちゃった!」 「そっか」 桜はまた、まるで無垢な子供のように微笑んだ。 二人は無事再会を果たすと、すぐに学校へと向かって歩を進め始めた。 その道中には、なんでもない会話が止まなく続く。 「私ね、小さい頃から兄妹三人で一緒に学校行くのがずっと夢だったんだぁ!」 「実は俺も、ずっと妹に会うの楽しみにしてたんだぜ」 それから十数分後、二人は学校に辿り着いた。 「それじゃ、またね大護!」 「おぅ!」 桜は新入生として、大護はそれを迎える先輩として、二人は各々の場所へと向かった。 するとそんな時、 「よっす大兄ーっ!」 「おふっ…!!」 突然大護は後頭部を強く殴られ、すぐに振り返ると、 「痛ってぇな、誰だよ!!」 「おはよーおはよー、実は私も今日からここの生徒なんだよん!」 「お前かよ…」 そこには、同じアパートに住む一つ年下のツインテールの少女が立っていた。
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