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唐突だが俺こと中村千歳について少し語ろうと思う。
性別は男で身長172cm、体重55kg、年齢22才で黒髪黒目のどこにでも溢れている人間の1人だ。
海の近くにある工場で飽きもせず働いている。
興味ない?…まぁだろうなとは思う。
仕事終わりには何時も浜辺に座り海を眺める。
はっきりいって面白みのない人生。
死ぬまでこれの繰り返しかと思うとごくたまに、本当に死のうかと思う。
「……まぁ死なないんだけど」
自嘲気味に薄く笑いながら呟く俺。
自分でも思う──気持ち悪い。
自分の世界に浸っていたからだろう。
彼女の、俺に掛けられたら声にびっくりしてしまったのは。
「──あなたは今生きてて楽しい?」
後ろから聞こえたその声に、急かされるように慌てて振り返る。
これが俺と彼女の始まりであり物語の始まりだった。
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