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振り返った俺の瞳いっぱいに彼女の顔が映る。
「っ──近い近い近いっ!」
彼女の肩を両手で押しのけ2人の間にスペースを作る。
動悸を落ち着かせながら考える。
(この女何考えてやがる?変な質問といい近すぎだろ急接近しすぎだろおいっ!……落ち着け俺。クールに徹しろ。いい匂いがしたとかも今は流せ)
「……さっきの俺に聞いたんだよな?」
彼女の肩から手を放し、ちらっと顔を見ながら話す。
「そぅ。今生きてて楽しい?」
感情の籠もって無い瞳で此方を見据えてくる。
“楽しくなんかねぇよ”──そう答えようとして口を開く。
「かなり楽しいよ」
あっ…変な意地を張ってしまった。
彼女は意外そうな顔をして俺の方を見てくる。
俺は彼女から瞳を逸らして呟く。
「お前はどーなんだよ?」
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