彼女

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彼女も俺から瞳を逸らし海を眺めながら呟く。 「楽しくないよ」 その一言には、自分の人生を飽きらめたような響きがあって── ──ちょっと苛つく。 さっきまで俺も同じような事を考えてはいたが何となく苛つく。 彼女──もう“こいつ”でいっか。こいつは多分俺も同じだと思ったんだろう。人生を飽きらめた同類。 まぁ間違っちゃいないが。 「…浸ってんじゃねぇよばーか」 ゆっくり立ち上がり砂を払いながら俺はもう一言だけ囁く。 「自分が1番不幸みてーな顔してんじゃねぇよ」 “まぁ、俺には関係ねーけど”そう言って来た道を戻る。 (……今考えたら俺、かなり失礼なこと言ってしまったかもしれん) 頭を掻きながらちょっと後悔してる小心者な俺だった。
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