彼女

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次の日。何時もどうり仕事を終えて海を眺める。 (あぁ。今日も仕事だるかったなぁ) 浜辺に座り顔を伏せ溜め息をつく。 (…ってか周りから見たら俺、可哀想な奴だと思われてるんじゃ) しょうもない思考に捕らわれる。 「──っあ、いた」 その思考を破るように、背後から聞こえた声──昨日と同じ声にゆっくり振り返る。 「…ども」 昨日と同じテンションで声を掛けてきた“彼女”。 「…うす」 内心テンパりながらも同じテンションで返す俺。 「何時も海見てるんですね」 興味がなさそうな何気ない問いに 「見てるけど悪いか」 ぶっきらぼうに答える。 「別に悪くないですよ」 「そうか」 「はい」 「「…………」」 会話終了。
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