カギ

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君からの『サヨナラ』は これまで浴びたどの言葉よりも 衝撃が強くて。 防衛本能が働いて 心が麻痺して 思考回路が断ち切られた。 気持ちを口にするのは苦手 そんな僕を ただ人より難しく考えてるだけだよと 笑ってくれた君に甘えて 届いているはずなどなかったのに 苦しくて苦しくて 君との記憶をしまいこむけど、 会いたくて会いたくて 流した涙で錆びたカギが 思い出を解き放つんだ いつも何度でも 繰り返し、繰り返す 僕を見て『どうして?』と ほんの少しだけ首を傾けて クチビルを動かす いつもの君の行動。 思い浮かべて 巻き戻しては停止して。 キレイゴトかもしれない けれど私は ただ結果を手に入れるだけじゃ嫌だと 近づいてくる君に甘えて 伝わっているはずなどなかったのに 悔しくて悔しくて 君から目をそらしてしまった僕を 責め立てて罵倒して それでも戻らない時間だけが 君と僕とを繋いでいる いつも何度でも 寄せては、押し返す。 何度も写して摩れた 思い出の端を きつく握って手繰り寄せる 僕は離れていても君に甘えて 誤っていることなど解っているのに 苦しくて苦しくて 君との記憶をしまいこむけど、 会いたくて会いたくて 流した涙で錆 びたカギが 思い出を解き放つんだ いつも何度でも 繰り返し、繰り返す
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