3,顔を出した非日常

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「来たぜ実習うぅううう!! っしゃあああ!! おいみんな! 気張って行こうぜ!!」 「フィ、フィアさん落ち着いて……」 「あれ? フィア、そんなに楽しみにしてたっけ?」 朝日がまぶしい校庭。集まり賑わう学生たち。そこに俺もいるというこの喜び!! いや、確かに実習自体はどうでもいいんだけどさ。いつもやってる任務だし。しかしこのイベント感が半端ない。超テンション上がる。 「うっせーぞ能無し!! 黙ってらんねえのか!!」 「よし来いジル! 今の俺は何言われたって凹まないぜ!」 「なんだお前キモ……」 マジで引かれたけどそんなことも気にならない。けどそこでなんとなく感じていた違和感が発覚した。 エリからの突っ込みがない。 落ち着いて周りを見渡すと、エリはティリーの後ろの方の木陰に座り、なんかニヤニヤしていた。 「おい、エリの奴どうしたの?」 「あ、エリちゃんですか? 分からないです。今朝からずっと上の空で」 「変なやつ」 珍しいこともあるもんだと眺めていると、アークが思伝を送ってきた。 (よく見てください。昨日マスターが作られたブリザードフラワーを握り締めてますよ。浸ってるんじゃないですか?) (うお!? まじでか!? なにその俺パワー!! ったく、俺って罪作りだぜ……。なあアーク?) あああああそうだった……。 もうやだ俺死ねばいいのに。 「ねえねえフィア~。エリちゃんとこ行ってみようよ」 落ち込む俺の腕をセリスが引っ張る。引かれるがまま行ってみると、もんのすごく幸せそうな顔で自分の世界に入り込んでいるエリがいた。 正直に言おう。 気色悪い。 なんていう俺の思考が通じてしまったのか、パッと開いたエリの目と合ってしまった。一瞬にして不機嫌そうな顔に染まる。 「……なに見てんのよ。気持ち悪いわね」 こんの野郎おおおおお!! お前言っとくけどそれ作ったの俺だかんな畜生! 格好つけて『すまない。怪我をさせたな』とか言ったのも全部俺なんだかんな! 言わないけどもさ!!
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