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そこでふと一つの疑問が浮かぶ。もしあの時作ったのがウンコ形のブローチとかでも、エリは大事そうに握り締めたのだろうか……。
「ブフゥッッ!」
「ちょ、なにいきなり噴出してんのよ気持ち悪いわね!!」
「あっ、エリちゃんが元にもどった! さすがフィアだね!」
そこでタイミングよく号令がかかり、みんなわらわらと集合した。溢れんばかりの期待がひしひしと伝わってくる。
「よおーっしお前ら! 今から素晴らしき実習授業が始まるぞ! 各グループに一人ずつ素晴らしいギルド隊員の方が付き添ってくれるようだから、ちゃんと言うことを聞くように! 以上、素晴らしい!」
「先生。素晴らしいの使い方が間違ってる気がします」
生徒からの突っ込みをスルーして走り出すスティオール先生。……って走るんかい!!
わけも分からず走り出したスティオール先生の後を必死に着いていく。走りながら俺は思った。これ絶対走らなくても別によかったパターンだぜ。
意外に長い道のりを走ること約二十分。あの趣味の悪いギルド、巣燕にたどり着く。今日も立派なうんこです。
みんなの息切れが聞こえる中、スティオール先生が中に入っていった。俺たちも入り、グループごとに整列させられる。そして前に立つのは勿論アーサーだ。
「あー……。本日お前らゴホンゴホン、皆さんの授業の監督および責任者を担うアーサー・レイムスだ。よろしく」
「いやあアーサー・レイムス殿ともあろうお方が学生の授業に協力してくださるとは! 噂通り素晴らしいお方だ! 本当にありがとうございます!」
「いや、気にするな。これも任務だから。あとでがっぽり頂くことに……」
「アーサーさん!! 俺らの行く任務ってどんなのなんすかね!!」
たまらず声を上げる俺。大人の汚い部分が垣間見えようとしたからね今。駄目だからそういうの。
一方のアーサーは俺の声に反応してこっちを見、鼻で笑いやがった。意味分かんないけどなんかむかつく。なんかもう存在がイラつく。つうかこいつエルラドどうしたんだろうか。
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