7,義眼が上手く入らない

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でもなんだかんだ言って献身的に看病してくれた三人には感謝しきれない。ここだけの話、来月辺りに聖白一日休みにして、全員の一日休暇を取ろうかなって思ってる。そしてみんな俺を『マスターすてき! イケメン!』とか褒め称えればいいのにと思ってる。 ポロ。 あ、義眼が……。 事前に貼り紙とかしとかないとなー。聖白を休みにするとか初めてじゃね? クレーム来たらどうしよう。いや、そこは職権乱用で孤高の制裁者クオリティを……ポロ。あ、義眼が……、って、 「入らねえええぇえぇえええッッ!!!!!!」 なんっだこれ!! なにこれ!! なにこの俺への拒絶反応具合!! ロイ以上だわ!! 「え……コレこんな入れるの難しいの? サイズ違うんじゃね? いや待て。目玉にサイズとかあんのか? ……あるか」 だらだら冷や汗が流れる。どうしよう。もうお弁当も作ったからって余裕ぶっこいてたらまさかのトラブルなんですけど。もうすぐアークたち来ちゃうんですけど。 もの凄い勢いで暴れだす心臓。焦りをなんとか沈めようと、平常心を装って鏡を見つめる。震える手で義眼を近づけ、狙いを定める。よ、よし。落ち着け。落ち着け俺。やれば出来る子だ俺。さあこのまま…… 「フィーア! 何してんのーっ!」 「ほぶうッッ!!!」 いつの間に進入したのか。さも当たり前のように俺の部屋……さらには洗面所にまで突入してきたセリスが俺の背中に飛びついてきた。 つまりは俺の顔面は鏡に叩きつけられたわけで。それと共にスポンだかブチュンだか出来れば死ぬまで耳にしたくない効果音が聞こえ。 「…………ありがとう、セリス」 「え、なにがー?」 うん。 入ったわ。寿命縮んだけど。
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