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◆生い立ち
日天國に代々続く由緒正しい武家に長女として生を受ける。
現葵家当主を父に、その妾を母に持つ。
2つ下の弟がいるが、弟は現当主と今は亡きその正妻の子である。
複雑な立場に産まれるも、両親を含めた周囲の人々の態度は温かく、恵まれた幼少期を過ごした。
弟とも仲が良く共に剣術を磨き学び遊んだ。
平穏な日常が続くが、ある日姉弟二人で都の外にある山に遊びに行った際、何らかの事故が起き気を失う。
捜索に来た大人達が篤千を見つけた時には弟の姿はなかった。
現在もその行方は皆目見当がつかず、遺体は発見されなかったものの事実上の失踪扱いである。
篤千自身も事故前後の記憶は曖昧でなぜ失神したのかすらも覚えていない。
弟の失踪に伴い葵家には家督を継げる男子がいなくなったため、唯一現当主の血を引く篤千に次期当主候補の白羽の矢が立つ。
しかし篤千はこれを拒否。
半ば出奔の形で本家を去り、用心棒で生計を立てて今に至る。
篤千自身は弟の生存を信じておりその帰りを待っている。
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