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鈴原は扉を開き、中に入った。
仕事が休みはこうしてここに通った。
そして、今までの事を書いた手帳を眺めて死に触れた。
それはそれは心地良い時間だった。
夕方頃の工場は夕日に様々な物が照らされ、影が迫ってくるような気がした。
何かいる。
ナイフを隠し持って歩き出す。
扉をそっと開け、外に出る。
どこにいる?
どこにいる?
こっちか?
そっちか?
歩き、何か分からないものを探す。
そんな時だった。
「あの~」
後ろから声をかけられた。
振り返るといたのは二人の少年少女だった。
「こんなところで君たちは何をしてるんだ?」
とっさにナイフを隠し驚いたふりをした。
「五年前、この工場であった自殺事件について調べてるんです」
少年の声は聞こえたが少女から目を離せなかった。
なぜなら、今までに殺した人間に似ているからだ。
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