右腕ミンチ事件

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彼女はクラスでは全く喋らない。 僕にも好都合だった。 クラスの誰にも本当のことがバレない。 僕が死を好んでいることも。 そして、僕も誰にも彼女の事を話さなかった。 図書室の秘密の会話が続いていった。 ある日の会話で彼女が言った。 「この事件知ってる?」 彼女がポケットから新聞記事を取り出した。 「知ってるよ」 僕が最近一番気になってる事件の記事だった。 「隣町で起こってる右腕だけグチャグチャにするやつだろ」 「そう。それについて調べたいことがあるの」 彼女は本を閉じて片付け始めた。 「放課後、校門で待ってるわ」 彼女は去っていった。
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