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雅人が美沙子に気づき、近づいてきた。
「お久しぶりです」
「お久しぶり……です」
雅人は優しく美沙子をみつめる。
美沙子は胸が張り裂けそうだ。
「あら、鈴木さん、
もしかして彼女ですか?」
店員が雅人に声をかける。
「違うよ、前の嫁さんの娘の知り合いだ。
この方には、俺は見事に振られたんだ、茶化さないでくれよな」
雅人と店員が楽しげに話すのを美沙子は眺めていた。
しかし、お呼びでない立場とすぐに気づく。
美沙子は
「じゃあ、」
とふたりに一礼をしてその場を去った。
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