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有紀をかなりの距離、背負ってきたのだろう。
化粧は剥げ落ち、髪はみだれ、明らかにがに股になっている千鳥足さん。
まさか、誘拐ではなかろう。
こんな誘拐方法は聞いたことがない。
「「……あの……」」
雅人と千鳥足は同時に言っていた。
一瞬、ふたりは黙り、
「どうぞ」
と、千鳥足が言うので、
「鈴木有紀、ですよね」
と、雅人は言った。
千鳥足は
「相川美沙子と申します」
と、名乗る。
千鳥足、改め、相川美沙子に
「有紀の元・父親です」
と自己紹介した。
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