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相川美沙子は、一瞬、真ん丸い目をさらに丸くさせて、
「あたしも、です」
と言った。
「え?」
「あたしも……、
行ってきます、とか、ただいま、とか。
誰もいない部屋に向かって言うんです」
「そうなんですか」
正直、ホッとした。
いきなり、有紀の父親が変な人、なんて思われなくて済んだからだ。
有紀を俺のベッドに移す。
俺は相川美沙子と一緒に、眠る有紀を見つめた。
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