有紀

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+--+--+--+--+--+--+--+ 「久しぶり!」 「お久しぶりです!」 有紀は美沙子と紅茶で乾杯した。 有紀は近況報告をした。 気がつけば、孝二のことばかり話していた。 「でも、よかったわ」 美沙子は本心から言った。 「いいお兄さんだったんじゃない」 「そうですね。 もう、あたしも“お兄ちゃん”って呼んでるんですよ」 「すごい進歩だわ」 「だから」 ふたりはキャラキャラと笑った。 そして有紀は真顔になる。 「でも、」 美沙子は有紀をみつめる。 「おじさんを“お父さん”とは呼べません」
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