僕ら

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あーー、と一人の線の細い人形のような少年が声を漏らした。 疲れた。とばかりにしきりにため息をついて回りを見渡した。何一つ変わらない自分の部屋。 必要以上のものは置いていない、僕が死んでも片付けは楽だろうな。そう少年は考え少し自虐的に微笑んだ。 「・・・ふっ」 白を基調とした部屋に古めかしい棚と朧に光るランプ。今にも足が限界を越えそうな机、どこにも誉める要素がなかった。 「よぅ」 少し開いたドアから金髪の男がドアにもたれ掛かって顔を覗かせて居た。どうやら少年の友人らしい。・・・因みにいつからそこにいたのだろうか。 ふぅとまた少年はため息をついた。彼の短めの銀髪が少し逆立ったようにも見える 「なんだ───」 少し腹立たしげに少年は侵入してきた男に声をかけた。 「いや、なに、構成学を休んでまでも小説の執筆に勤しむエレノアさんに労いの言葉をかけにきただけですってば」 体格から17.8だろうか、少し浅黒い肌にギラリとした眼光、深めの堀がある顔の男はそう言うとエレノアと呼ばれた少年に歩み寄り、ポンと軽く肩を叩いたと思うとすぐに半旗して部屋の外へと出ていった。 最後に。あんまり部屋にこもんじゃ ねーぞ。と言う一言だけを残して 「余計な世話だよ」 少年は少しの笑みを浮かべてまた机にかじりついた、今頃構成学の講師であるバードマン氏はお冠であろうと少年は思考してまた少し笑うのだった。 エレノア・ギン・スクエア──ノゥブルマン ───── 私立プライメリ学園、魔法法科学生一年Bクラス。出席番号四番。Bクラス書記。そして、小説家である。
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