1人が本棚に入れています
本棚に追加
「辿麻(テンマ)!オイ辿麻!」
うつ伏せに寝ている俺…『辿麻 暁兎(テンマ アキト)』に向かって教卓に立っている教師が声をかける。
もちろん言うことを聞く気は無い。
「………」
特にこの授業『歴史』の授業は特に聞く気が無かった。
他の先生ならとっくに諦めている所なのだが、どうやらこの教師は新任の教師らしく、俺の事はよく知らないようだ。
(仕方ないか……)
正直、どうでもいいのだが、このまま構い続けられると面倒だと思った俺はゆっくりと体を持ち上げながら殺意と侮蔑を込めた目で教師を睨みつける。
俺の行動を知っているクラスメートはやれやれまたかと言いたげな顔をしているが、俺は気に留めることはない。
そして俺は口を開く。
「真実を知らない人間(クズ)が俺に指図してんじゃねえよ…」
言葉に本気の殺意を込めて……
その言葉に戦く教師
俺はその様子を見て鼻を鳴らしながら再び机に顔をうずめる。
教師はしばらく黙り込んでいたがしばらくして授業を再開する。
「またやりあがったな……」
「いくら他人が嫌いったってあれはないわ~」
「自分がかわいいんだろ…」
他の奴らはそう小声で口々にそう言うが俺には何にも関係ない。
ただ一つ反論するなら俺は『他人が嫌い』なんじゃなく『無力な自分を含む人間そのもの』が嫌いなのだ。
9年前のあの日から……
最初のコメントを投稿しよう!