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パァン!
一発の銃声と共に俺に弾が当たり、俺の意識は…
「痛って!流石に一瞬意識飛んだぞ!」
「え!?」
俺の反応に少女は目を丸くする。
先ほどの弾は実弾では無くSRゴム弾といってスタンガンと同じ効果を発揮する銃弾で死なないとはいえ、急所に当てたのだ。
意識を完全に刈り取ってもおかしくは無い。
だが、俺は着弾の衝撃だけによって一瞬意識が飛んだだけに止まっており、普通に立っているのだ。
もちろん着弾した眉間を抑えながら。
「な…なんで意識があるの?」
流石に少女は俺に尋ねてしまう。
だが、俺はそれに答えるより先に言うことがあった。
「今の実弾だったら死んでたぞ!」
「うっ…いきなり撃ってごめんなさい……」
怒り心頭の俺に対して少女は申し訳なさそうにうつむきながら謝罪の言葉を述べる。
流石にそれ以上怒るような大人げない事をする気も無い。
ここで俺はようやく目の前にいる少女の姿を確認する。
見た感じこの学校の制服では無いようなので一般の来校者か他校の連絡役のどちらかだろう。
そこまで考えてから俺は意識を変える。
(何考えてんだ…俺には関係のないことだ……)
そう結論づけてカバンを担いで立ち上がって扉に向かう。
だが、俺は思い出したように立ち止まって
「俺にはスタンガン程度の電撃は効かないから……
あと、俺が持っている石の事は誰にも言わないでくれ」
少女の問いに答えて、石の事を他言しないように言ってから扉をくぐって階段を降りて行こうとする。
別に石の事を言わなければ俺にとって他のやつらと一緒なのだ。
それ以上詮索する気も無ければ必要もない。
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