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親衛隊に入ってやっと分かった。
自分とあの人の距離の遠さに僕は愕然とした。
中学ではただ遠くで見ているだけだった。
でも高校に進学して、目が合わせれる距離まで近づけた。
だけど、目が合ってもあの人は何の反応も示さない。
出会った時の穏やかさはなく、
その反対にどんどん親衛隊に対する態度が厳しいものになっていった。
…………気づいてもらえなかった。
わかってた。
あの時の僕は髪で顔はほとんど隠れていたし、名前も名乗らなかった。
わかってたんだ。
だけど現実を突きつけられたら、やっぱりショックで
僕は心のどこかで期待してたんだ。
あの人なら分かってくれるって。
たとえ声をかけてもらえなくても、僕を見て微かに笑ってくれるって
ホント言うと何回も想像した。
目が合ったらどうゆう反応をしてくれるかな?
笑ってくれる? 「また会ったな。」って声をかけてくれる?
また2人で会える?
そんな僕の期待は見事に砕かれて
そして僕はあの人に抱かれた。
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