プロローグ

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俺の後ろには父さんがいたが、母さんと妹とはすでにはぐれていて、安否は定かでない。 不意に父さんの手が頭に乗ってきたのと同時に、ひときわ大きな爆発音が鼓膜を震わした。 正面の入り口がついに突破されたのだ。 一気に敵兵が中になだれ込んできて、視界が一気にそれで埋め尽くされていく。 そのとき、轟音の最中で父さんが何か言った気がした。 何を言ったのかは、いつも思い出せない。 ただ、俺の記憶はそれが最後だった。
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