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やってきた患者は、中学生の女の子だった。
車椅子を母親に押されながら、着替えなどで膨らんだボストンバッグと教本などを詰め込んでいそうなスクールバッグを看護師に持ってもらい、小さな化粧ポーチを膝の上に携えて来院してきた。
彼女のベッドは桜井の隣、彼を窓側とすると、彼女は廊下側だった。
彼女は年相応に若々しい外見をしていて、過剰に心配する言葉を掛ける母親に何度も大丈夫だよと力強く応えていた。
荷物を持ってくれた看護師へ感謝の言葉をかけることもかかさず、彼女の周囲は笑みと暖かい空気に包まれていた。
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