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------ ---- 「あーかったりー。やっとついたぜ。まずチェックインすっか。」 ボストンバッグをピックアップして肩に背負うと、俺はタクシーの方へ急いだ。 ドンッ!! いきなり横から誰かがぶつかってきた。 (んー!?スリかなんかか?) そう思って相手を見ると、 「すっすみません!スクージー!」 えらく慌てたおっちょこちょいがばらまいた荷物を焦って確認しながら俺に目を向けた。 (日本人か。えらくおっちょこちょいだな。) 次の行動を悩む彼女を見て、ため息をひとつつくと、 「気にすんな。それより荷物を早く拾え。」 そういいながら、俺は彼女の荷物を拾い始めた。 「あっ!はっはい!すみません。ありがとうございます。」 彼女が手を出す間もなく、俺は手早く荷物を拾うと、彼女に渡してタクシーへ急いだ。 後ろの方から慌てた感じの彼女が、 「ありがとうございました。」 彼女はずっと頭を下げていた。 タクシーに乗ると、運転手にホテルを告げてローマ市内に向かった。
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