プロローグ

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マミには椅子に座ってもらって、私はお茶をいれた。 少しは落ち着いたみたい。 「心配させてごめんね」 「うん、でも無事で良かった!」 椅子に向かいあう形で座る。 マミはクラスメイト。入寮時に知り合って、同じクラスだと分かってからは…まるで姉のように慕われている。 同い年なんだけどね。 小柄で長い琥珀色の髪を両サイドにリボンでまとめている。 伏し目がちにこちらを見つめる大きな瞳はまだ潤んでいる。 …でも、私が森に行くって知ってたのは、課題を出した先生とこの子だけなのよね。 お昼を一緒したくて待っていたけど、帰らないから周りにってトコでしょうね。 悪気が無いだけに指摘しづらいし、私の不注意だったと薬草学を諦めるしかないか…。 私はこの後少し雑談して、食事をするからとマミを部屋に返した。
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