忘れたピース

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その後、俺達四人はある場所へと向かう。 俺の退院祝いを皆でしてくれるらしいのだ。 バスに乗って20分弱で目的地である店の前へと着いた。 『STARCOFFEE』 そこが目的地の店の名前。この店はよく通っていた行き着けの店。 小さい頃からこの店に通っていた。もっとも? 顔なじみでタダ飯を食べれたっていう理由なんだけど。 ドアを開けるとカラカラッと鈴の音が鳴る。 「うわぁ~……」 そして俺は店内の様子を見て思わず驚いてしまった。 なぜなら中はパーティーをやるような飾り付けがされていたから。 テーブルには料理やデザートが用意されている。そして何より壁には“退院おめでとう”と書かれた紙が大きく貼られていた。 「やっと主役の到着だな。退院おめでとさん」 「勇ちゃんの為に今日は貸し切りだ。好きなだけしていくと良い」 エプロン姿で現れたのは体格の良い男。コイツは山田 隼人。俺の親友で一緒に高校野球を戦い抜いたライバル。ここで住み込みで働いている。 そして後に喋ったのがマスターの斎藤 孝さんで通称タカさん。ダンディーな言葉が似合う渋い男だ。 「すげ~……。俺の為に貸し切りですか」 このサプライズには俺も驚きだ。やっぱ持つべき物は友だな。 「そういえば神村は?」 「アイツなら少し遅れて来るって連絡入った。寄る場所があるんだと」
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