一章

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誰だって、悪いとは思っていても、嘘をつく事もあるだろ そうやってバランスよく他人と付き合っていくのは、当たり前の事だ 鈍感さは必要だ 気付かずにいる事も、人間の心の安定を維持する為に必要な感覚だ 全てを敏感に察しない事で 他人と上手く付き合える 生きてる間、全てを察し続けてると 壊れてく一方だ それは相手にも罪悪感を与え 信頼性は簡単に砕け散る 家族は嫌でも毎日を 一緒に暮らす人間だ、だから一番最初にもっとも他人に近くなった‥ 俺は、それでも耐えて耐えて 上手く制御して 楽しく関係を築いていたつもりだった だけど、避け始めたのは家族達からだった 事故があった時に アレほど悲しんでくれた家族から 生き返ってしまった為に 今度は毛嫌いされる事になるとは皮肉なものだ 生還したのに毎日が死んでる様なものだった… 違うものは虐げられる、家族だからってそれは変わらない 別に恨むなんて気持ちは無い、昔から、いつかこうなるとは感じていた ただ一つ違うのは、 嫌うのはきっと、自分の方からだと思っていた事だ 自分が悪役になって、家族を捨てる形で終わると思っていた ポジティブに思えば、先に嫌われたなら、罪悪感が無くなった訳だから唯一の救だ
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