一章

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;病院を出た俺は バイト先のペットショップに向かった 週末のバイトは1時から夕方の6時半までの勤務になっている バイトが終わって 帰りの途中にいつも通る橋から夕日を見る 下には川が流れていて橋は河川敷とも繋がっている 丁度この時間は夕陽が沈み始める頃だ 近くに古びた和食屋もあり この時間帯に何時も決まって匂ってくる 、炊き込みご飯の香ばしい香りがする 好きな夕日を見て 風に当たって その風が運んでくるこの匂いを嗅ぐ たった数分間のこの時間 他人からしたら普通の景色が 俺にとっては特別な空間になる 人と感じ方が違うのは解っている 昔から散々言われた事だし それが変な事なんて一度も思った事はない 他人の感情さえ察しなければ この感覚も 捨てたものじゃないとも思っている位だ (そろそろ帰るか、今日はお土産も貰ったしな
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