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「確かに此処なんだろうね?」
「あの文が偽りじゃなけりゃあな」
桃太郎の問いかけに徳市が答える。昨夜、目を通した文には、此処のお百度詣りだ、と書かれて有ったのだ。徳市は、大店の隠居らしくもない、古着を着込み、信介は変わらず浪人の格好だが、桃太郎も昼間っから芸者姿などと派手な格好はしていない。
ちょうど辰の刻だがお百度詣りには誰も来て居なかった。人目が無いのは有難い。
「おい、これじゃねぇのか?」
信介が顎をしゃくる。欠けた燈籠に紙が挟まれていた。
「おう、そのようだな」
徳市も頷く。
信介が取り出した紙は、どうやら何かを包んでいるらしかった。
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