第一章 見えたもの

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いわゆる平凡な中学生というやつだ。 幸哉は、その代わりといっちゃ何だが、 足がめちゃくちゃ速い。速すぎる。 50メートル走が、5秒2。 この広島県の中で、1位だ。 いや、というより日本最速だ。 ホントにこれはびっくりだ。 ただ、シャトルランをさせると10回で喘息が起こってまるで、二日酔いを思わせるぐらいフラフラになって走る。 そう、根性があるから走る。 根性だけは認める。しかし、立ち上がる場所はいつも病院のため、こればかりは どうしようもできない。 コイツには足の早さは負ける。 でも、オレにも負けない取り柄がある。 それは、握力!左利きなわけだが、 右のほうが10ほど、強い。 左は96、右は106。 どや!!!!!!!!!!!!!!! 「なーにひとーりでぇ、喋ってるのー」 「また、先生かよ。」「遅刻してるからでしょ!」「うぉっ!感傷に浸りすぎた…」今、喋ってきたのは 松岡・ゴンザレス・しゅーぞう。 オレらのクラスの担任の先生で、 男のくせに女声、口調で話す。 俗に言う、あれだ。あれだよ。 オレの言いたいことが分かるだろ? あれだよ!何だっか分かりませんよ! まぁ、いい。授業が始まるから、 終わりにしよう。
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