アイドル

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その長い黒髪は深い闇のように澄んでいて、その白い肌は触れるだけで溶けてしまいそうな程だ。 何よりその瞳が特徴的だった。 切れ長の紅い瞳、眼力の強さの中にどこか儚さを感じさせる瞳。 俺は見とれていた。 「隣どころかどこだって空いてるでしょう。バカなのあなた」 おっと、悪態をつくあたりアイドルが現れたことに照れているみたいだな。 少しご機嫌をとってから御一緒しよう。 「君の豊潤な胸はお昼ご飯にはピッタリだ、なめまわしてあげたいね。ではお隣失礼」 「…は? 褒めたつもり? 変態ね。あなたが顔は良いのに頭が残念な神千 凱かしら?」 「いかにも俺が神千だ。顔がいいとはまったく、君も言うもんだね」 きっと今こいつは俺を誉めちぎろうとしているのだろう。 「お前の名前は?」
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