先輩×後輩

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雨がふる夜。 僕は公園のベンチに座っていた。 「はぁ…。どうしようかな。」 家に帰りたくない。 僕の母は、昔出ていった。 今の母は父親の再婚相手で、俺のことをかなり嫌っている。 父親も僕のことなんか まったく気にしていない。 仲がよかった2こ上の兄が いたが、出ていった母が 連れていった。 どこに行ったかは知らない。 僕に居場所はない。 学校は行っているが、 休むことがほとんど。 真っ暗な空からふる 雨はまるで空が泣いているようだった。 今の僕の心みたいだ。 ポロポロと目から涙が こぼれる。 「もぅ…嫌だ。なにもかも。」 そう言ったとき後ろから 手がのびてきて、肩をぐっとつかまれた。 「なに!?」 「うるせぇ!おとなしくしろ!おい矢野恭介(ヤノ キョウスケ)!いい加減にしろ! こいつ殺すぞ!」 そういうと男は僕に 刃物をむけた。 「ひっ…。」 なんで僕が巻き込まれなきゃなんないんだ。 「はぁ?んなやつ知らねぇ。殺りたきゃ勝手にしろ。俺には関係ねぇ。」 “矢野恭介”らしき人が 数メートル先にいる。 金髪で制服を着崩していて第一印象はかっこいい。 てか、そんなこと考えてる場合じゃない。 僕はおもいっきり足を踏んでやった。 「いだ!てめっ…」 相手の力が緩んで、僕の肩を離した。 僕はとどめにと 男の急所に蹴りをいれた。 「あがっ…。」 男は地面に転がり込んだ。 はぁ…よかった。 「ぷっ…あははっ あんた面白いね。最高。」 そういって笑う矢野。
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