先輩×後輩

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「あんたらのことで僕を巻き込まないでくれます?迷惑なんで。」 「あんた、こんな時間になにやってんの?びしょ濡れじゃん。」 こいつ、僕の話聞いてんのか。 「別になんでもいいでしょ。ほっといてください。」 「ふーん?まぁ、どーでもいいけど。 その制服。俺と同じ学校だな。」 矢野の服装を見ると、僕と同じ制服を 着ていた。 「俺のこと、知ってる?」 いきなり聞かれた。 ほとんど学校行ってないし、興味ないし、知ってるわけがない。 名前もさっきのやつが呼んでたから 分かったし。 「知らない。興味ない。」 「へぇー。俺の事、知らないやつっていたんだ。」 自分がまるで有名人みたいな言いかたを するこいつに、少しイラッときた。 「あのさ、もうほっといて。僕なんかに構っても時間の無駄だと思いますよ。」 「僕なんか…ねぇ。随分自分をさげた言い方すんのな。」 …。僕は誰にも必要とされてない。 僕は、いてもいなくても同じようなもんだ。 「僕を必要としてくれてる人なんかいません。僕はもう…死んでもいいような人なんです。こんな僕に価値なんかない。」 自分で言っていて泣きそうになる。 何度死のうとしたか。 何度兄を探そうとしたか。 けど、僕はそう思っても実行に うつせない。 …ただの弱虫だ。 「居場所…ないんだな。 …俺んち、こいよ。」 「は?なんで僕があんたのとこに 行かなきゃなんないんだ。」 「気に入ったから。あんたが。 …あと…俺に似てるから…。」 似てる…? どういうことだ? 「とりあえず、こい。 あんた、名前は?」 「…一条…咲矢(イチジョウ サクヤ)」
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