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僕はずっと校舎裏に座っていた。
行く場所なんかないから。
空が真っ暗になる。
「はぁ…。さむ…。」
そのとき、近くで足音がした。
「咲矢!!どこだ!?」
恭介の声だった。
わざわざ僕を探してきてくれたと
思うと胸が高鳴った。
嬉しさと同時に苦しくなる。
足音がなくなった。
ふと上をみると、そこには恭介がいた。
「なにしてんだ。なんで帰ってこない?」
「…。」
何も言わなかった。
言えるわけがなかった。
「まったく。ほら、話はあとだ。
帰るぞ。」
僕は手をひかれながら歩きだした。
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